「自己肯定感」
かなり一般的に聞かれるようになった言葉ではないでしょうか。
なななんと、あの「anan」でも自己肯定感特集が組まれるほど…。
6月3日発売の「anan」:「メンタルを強くする、自己肯定感ワーク」
本屋さんでも「自己肯定感を高めよう!」「自己肯定感を高めれば上手くいく!」のような本がずらりと並んでいます。
そんな私も自己肯定感低かったので、自己肯定感を扱った本やサイト、ブログ、セミナーなんかには、かなりお世話になりました。
でも…でもでもでも…
全然自己肯定感上がらなかった(涙)
巷でよく見る自己肯定感を高めるワークをやると、それができなくてむしろ落ち込む…。
ワークすら上手くできない→できない自分に嫌気がさす→より自分を嫌いになる→自己肯定感がより下がる
え、悪循環じゃない…?
ということで、今回は巷の「自己肯定感を高めるワーク」に潜む罠と本当に効果があったワークを説明します!
自己肯定感を高めるワークを実際にやってみて効果がなかったもの
私も自己肯定感が低かったのでどうにかしたいと思い、ワークに取り組んだことがあります。
以下は効果が得られなかった…むしろさらに自分を嫌い(怖っ!)になったワークです。
では、ちょっと詳しく解説していきますね♪
今日1日の中であったよかったことをできる限り書き出す
ポジティブなことを日記として書き出す、というものです。
しかし、自己肯定感が低いとそもそもネガティブな方向に思考が寄りがちです。
始めたばかりの時やよかった(と思える)ことがあった日は書けていましたが、だんだん「よかったこと、て何?」「何も浮かばない」「そもそもこれってよかったことなの?」「今日は1つもなかった気がする…」な~んて考えってしまって、書けなくなりました。
書けないと自分責めが始まるんですよね~。
「ていうか、よかったことないの?自分がネガティブで気づけてないんじゃないの?」
「よかったこと1つも書けないなんて、やっぱり自分は価値のない人間なんだな」
「書けない自分はダメな人間なんだ」
とネガティブ節のオンパレード…。
これで自己肯定感本当に上がるんですか?といった感じ。
寝る前に今日あった出来事で感謝できることを書き出す
こちらもポジティブ日記と同じですね。そもそも感謝できることがなかった場合、「え、感謝できることなんてないんですけど」となる。
だって休みの日に家に引きこもって一日中一人でいたりしたら、特に感謝できることなんてなくないですか?
生きてることに感謝しよう!とか聖人君主的なことはここではなしですよ!(いや、本気で思えてたらそれでいいんだ)
上っ面だけの感謝を書いても効果ないと思うんです。心から感謝した出来事でないと。
それでも書き出そうとして無理に感謝しようと思うと、「感謝できることなんてないのになぜ感謝しなければ?」とか「感謝できない私はやっぱりダメな人間なんだ」と感じてしまいます。
えーん!眠れないよー!!
小さな成功を積み重ねる(〇〇ができた、△△をやめられた)
小さな成功体験の積み重ねで自信を持つことができる!なんていいますが、そもそも毎日成功体験なんてあるものでしょうか。
もちろん努力してる方や前向きな方は成功体験あると思いますよ。
でも自己肯定感低い人は、成功体験をする前の段階で心折られているわけです。
成功体験積む土俵にすら上がってない。
自己肯定感あってこその成功体験、なわけですよ。順番がある。
自己肯定感低い人にとって、いきなり「成功体験積め!」なんて難しいのです。
ハイハイもできない赤ちゃんに「何かに捕まってもいいから、歩いてごらん」と言っているようなもの。
「努力して何かを成し遂げる」ができていて自分も小さな成功を認識していたら、初めから自己肯定感低いとか悩んでない、つー話ですよ!(体験者だからこその怒り)
まずね、誤解している方がいたらここで知ってもらいたいのですが、
自己肯定=自分はできる!自分はすごい!自分に自信がある!
だと思ってないですか?(私は昔そう思ってました)
実は、自分はできる!自分はすごい!自分に自信がある!は「自己効力感」というものなんです。
「自己効力感」(self-efficacy)は心理学用語の一つで、何らかの課題に取り組むときに困難な状況であっても、「自分は対処できる」と自分に対して確信、自信といったイメージが持てることをいいます。カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した言葉で、「自己効力感」があることによって人は物事に前向きに取り組み、困難にも耐えられるようになります。人は「どうせできない」と考えるよりも「きっとできる」と考えたほうが行動できるように、「自己効力感」は人の行動に大きな影響を及ぼします。
出典:webio国語辞典
え?じゃあ自己肯定感との違いって何?と思いますよね。
自尊心・自己肯定感:ありのままの自分を認め、受け入れること
自己効力感:自分が上手くできると自分で認知すること
「効果が得られなかったワーク」は危険
私がやってみて効果が得られなかったワークは、総じて「できない自分にフォーカスしてしまう」という点が危険です。
つまり、自己肯定感の低い人が取り組むにはハードルが高いのです。
「小さなことでもいいから」とワークをやってみても、思うようにできない
↓
そんな小さなことも満足にできない自分はダメなんだ
という思考パターンに陥りがちで、結局自分を責めて落ち込んで悪循環です。
上記のワーク自体に何も意味がないわけではありません。ただ「自己肯定感を高める」という分野においては、少しピントがずれているのかな、と感じます。
正しい意味の自己肯定感は
ありのままの自分を認め、受け入れること
でしたよね。
自己肯定感を高めよう!と思い立ってせっかくワークをやって自己否定に陥っていたらダメじゃん!ですよね。
そこで、私が実際にやってみて効果があったと感じたワークを以下でご紹介します。
自分でやってみて効果があったと感じたワーク
ではこちらも詳しく解説!!
私は今〇〇なんだな
これは【マインドフルネス】と呼ばれるものです。
自分の身に今起きていることに意識を集中させて、自分の感情・思考・感覚を冷静に認識して、現実を受け入れること。
出典:英辞郎
自己肯定感低い人は、自分を責めて自分にダメだししがちです。
自分にあまり価値がないと思い込んでいるので、自分の言動一つとっても、あっているのか間違っているのか、いいのか悪いのか…自信が持てません
何か問題が起こると、自分の感情、思考、行動、身体の状態、それらを「自分がいけないのでは?」「自分が周りに迷惑をかけているのでは?」と考えてしまいます。
例えば相手の些細な言動が気になって「嫌だな」「なんか苦手だな」「やめてほしいな」と感じたとします。
そこで「こんなこと感じる私は酷い人間だ」「こんな風に思ってしまう私はなんて心が狭いのだろう」なんて考える。
自分の中からわき起こる感情は自然なものなのに、そう思うことすら「ダメ!」と抑制してしまう。
今日こそは怒らないぞ!と決めて子どもと接していても、一所懸命片づけた部屋を秒で汚され激怒してしまった。
一所懸命掃除や片づけをして、それが報われなかったら誰だって悲しいし怒りたくなる気持ちだってあります。親だって一人の人間ですから。
でも「私は怒りを抑えられないダメな人間だ」「子どもに対する愛情が足りないからだ」「親失格だ」という気持ちに襲われる。
朝起きたら風邪気味…体調管理もできないなんて、と自分を責める。
でも毎日遅くまで仕事をして、ゆっくり休む暇もなくて、免疫力が落ちている時にたまたま風邪をひいている人が近くにいてもらってしまった、ということだってあります。
全部全部自分を責める材料になってしまっています。
これでは毎日がしんどいのは当然です。苦しいですよね。
頭の中では忙しなくいろいろなことが巡っていますが、まず「今自分が感じていること」や「今自分の体の状態」を認めて受け止めてあげることから始めます。
わき起こる感情や今の体の状態は、一旦受け止めてあげる。
「いい・悪い」「正しい・間違っている」の判断はここではしない。
「私は今、嫌だったんだね」
「私は今、悲しかったんだね」
「私は今、いつも通りの体調ではなかったんだね」
そうやって「今の自分」を認めて受け止めてあげます。
その後どうするかは、受け止めた後に考えてやればいいだけのこと。
慌てなくていいのです。先を急がなくていいのです。
受け止めてからで十分間に合います。
大丈夫!
不安に陥った時、何かを思い出して辛くなった時、私は自分自身を抱きしめて「大丈夫」とつぶやきます。声に出して耳からも「大丈夫」という言葉を聞くことがポイントです。
大丈夫なんて思ってないのにやっても無駄だ、とか感じるかもしれませんね。
でも「大丈夫、大丈夫だよ」とつぶやいていると、不思議と心が落ち着いてきます。
「大丈夫」の言葉は、今以上に不安や恐怖や悲しみに覆われて我を見失わないために、「今ここ」に戻す、もしくはさらに強く感じないよう引き留める役割を果たします。
何だか辛い、どうしようもなく苦しい、と感じる時は、不安や恐怖、悲しみや過ぎ去った過去のことに過剰反応してしまっている時です。
目に見えない不安や恐怖や悲しみに取り込まれて、軽くパニックになっているのです。
その状態と自分の間に少しでも隙間を作って離すことができれば、次第に落ち着いてきます。
あ、そんなことやるのは恥ずかしい、とか思いました?
では、そんなあなたにコツを教えてあげよう!
それは
「一人でいる時にやる!」
え?当たり前だって?こりゃ失礼しました! 笑笑
いやー、でもこれだけで心が落ち着くならやった方がお得じゃないですか?
ずっと辛いままでいるのは、自分だって辛いですから。
自分を抱きしめてあげて、自分に優しい言葉をかけてあげる。
誰かにしてもらうのを待つだけじゃなくて、自分自身にしてあげてもいいんですよ。
ええねん!(いいんだよ!)
私は何か問題が起こると、「自分が悪かったのでは?」や「自分があの時ああしていれば…」、「あの時ああ言ったけど、誰々さんに嫌な思いさせたかな?」などと考えてしまいがちです。(たとえそれが自分に関係していなくても)
夜寝る前なんかは、一日を振り返ってどうしてもそんなことを考えがちです。
眠れなくなるので、よくないよな~とわかっていてもつい頭をよぎって反省会が始まってしまう。
あと失敗してしまった時なんかは、やっぱり自分を責めてしまいがちですね。
完璧主義のせいか、些細なことでも「あ~!やってしまった…」となります。
- 仕事が思うように進まなくて同僚に迷惑をかけてしまった
- 予定していた時間に間に合わなかった
- 晩御飯に作ろうと思っていた料理に必要な材料を買い忘れた
- 自分のミスを指摘され、悔しくて感情に任せてつい強めに反論してしまった
などなど
反省は大事ですよ!でもいつまでも過ぎたことを思い悩むのもどうでしょう?
ましてやそのことでいつまでも自分自身をねちねちと責めても…ね…?
それなら「次、頑張るぞ!」「次同じことが起きたらこうしてみよう」と考えた方が建設的だし精神衛生上もいいです。
でも中々難しいよ、という私と同じタイプの方にオススメなのが、「(それで)ええねん!」と自分自身に許可を与えてあげちゃうことです。
間違ってしまった、失敗してしまった、思うようにできなかった、悔しいし悲しいし何だか辛い…それならそれでまずは「ええねん」!

いいんだよ!
それでいいんだよ!
深く考えすぎることはないよ!
自分を責めすぎなくていいよ!
いいんだよ!
(唐突に出てきたしばわんこ…)
自分自身に「いいんだよ」と言ってあげる。
自分自身を許してあげる。
それでもいいんだよ、と受け止めてあげる。
できれば「も~しょうがないな~」なんて言いながら笑ってあげる。
これね~、慣れるまでは違和感ありまくり(苦笑)なんですが、練習あるのみ!
私はとにかく自分を必要以上に責めたりダメ出しをし始めたら、この「ええねん!」に助けてもらいました。
何度も繰り返し慣れれば違和感もなく、「そうだね、そんなに重く捉えなくてもいいな」とか「うん、さすが私クオリティ(笑)仕方ないわ~」なんて自分を受け入れられるようになりました。
ちなみになぜ関西弁かというと…
個人的に「いいんだよ」と優しく言われるより、「ええねん!」と投げやりに言われた方が、「こんなことにそこまで真剣に悩まなくてもいいかもな」と思えるからです!
それに関西弁の方が明るく感じるし!(関西の方が投げやり、て意味じゃないですよ)
イメージは関西弁のおばちゃんに「何そんな悩んでんの!ええねんええねん!」と背中バシバシ叩かれながら言われている感じですね!(どんなだ)
深く、重く考えるのはやめちゃおう!失敗したって間違ったって上手くいかなくたって、ええねん!
当たり前の自己否定をやめる練習を
効果があったと感じるワークは、私が自分でやりやすいようにアレンジしたものではありますが、本質は「ありのままの自分を認め、受け入れる」という内容になっています。
自己肯定感が低い人は、自分を否定する癖がついてしまっています。
それは何度も繰り返してきたから癖なのです。
だから、新しい「癖」をつければいいのです。
最初は違和感もあって居心地が悪くて難しいかもしれません。
何度繰り返しても上手くできないかもしれません。
でも筋肉をつけるために筋トレが必要なように、新しい「癖」を付けるにはトレーニング(練習)が必要です。
私も最初は全然上手くできませんでした。
如何に自分をいつも否定して自分を責めていたのか認識しました。
それくらい自己否定が当たり前になってしまっていたのです。
自己否定は辛いです。自分のことを信じられないから自信も持てない。
人に褒められても素直に受け取れない。裏があるんじゃないか、とさえ思う
人からの好意も受け取れない。自分が自分を好きになれないから、相手がどれだけ自分を好きだと言っても、どこを好いてくれているのか自分には理解できない。
人間関係も、恋愛も、仕事も、人と比べて上手くいっていないな、と感じることが多いくありました。
辛くて苦しくて悲しくて嫌でした。だから私は自己肯定感を高めてもっとHappyに生きてやる!と思ったのです。
効果のなかったワークをやって悪循環に陥ったり、中々上手くできなかったりして、かなり回り道もしましたが…。
一人で続けることが難しければ、他人の力を借りよう!
諦めずに続けたことで、私は日々幸せを感じながら生きています。
もちろん、失敗や間違いはあるので、自分を責めたりダメ出ししたりする時だってあります。
「あ~またやってしまった~!私はなぜこんなこともできないんだ~!」なんて思うところは変わらずあります。
でもその失敗してしまった自分もダメだと感じた自分も、愛すべき自分なんだ、と思えるようになったのです。
まさしく「ありのままの自分を認め、受け入れる」ことができるようになったわけですね!
素質とか才能とかいりません。自慢できるような過去もすごい経歴も必要ありません。ただ「ありのままの自分を認め、受け入れる」トレーニングさえすれば、誰でも自己肯定感を高めることはできるのです。
トレーニングを続けることさえできれば、必ず報われます。
とあるライブを見に行った時、MC中に「なぜ夢を実現できたのですか?成功した理由は何だったと思いますか?」という質問がボーカルの方にありました。
答えは何だったと思いますか?
「それは、続けたからですね」
その方はそうおっしゃいました。
確かに途中で諦めていたら、夢は実現しないですよね。
素質とか才能とか環境とか運とか、もちろん必要な時もあるかもしれないけど、実現するまで諦めずに続けること、それが1番大事で1番必要なことなのではないかな、と思わされたエピソードです。
とはいっても、「続ける」ことが何よりも難しかったりするのですが。
そんな時は人を頼ってください。
あなたの大切な人、あなたのことを大切に想ってくれている人、そしてプロの力も借りてみてください。
カウンセラーや相談員の方もそのためにいらっしゃいます。
難しいときは
- よく知っている(知識がある)人
- 経験したことがある人
- コツをつかんでいる人
この方々の力を借りましょう。それが近道です。
一人で悩んでいても時間がもったいないです。
時間は有限ですから。
私も自分が嫌いだった経験があり、自分を好きになるコツを知っています。
自己肯定感を高めたい、自分を否定することなく生きていきたい、必要以上に自分を責める癖をなくしたい、そんな方のお役に立てるよう、これからも記事の更新やセッション、講座をおこなっていきたいと思います!(最後は決意表明になってしまいましたね)
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